当会では套路を練ることで身に付けた技を実際に使ってみるということを重視しています

他の武術系教室の様に既存の格闘競技の真似事をするのではなく、

自分がやっている門派の技術をしっかりと使いこなせるよう工夫されたルール設定の下で散手(自由組手)を行います。

武術基本散手ルール

格闘技では目、喉、金的など人体における危険な急所への攻撃は禁止されています。

しかし武術においては、これらの危険な急所こそ真っ先に攻撃していく部分です。

しかし普段の練習においてこれらの急所を実際に攻撃しては練習者に重大な負傷をさせてしまいます。

そこで中国武術では自由攻防の練習(散手)において、

これらの急所を実際に攻撃する代わりとなる部分に触れるという練習をします。

相手の肩に手を触れることができるのならば、それは相手の顔まで手を届かせられるとみなせるので目や喉を攻撃する代わりとなります。

相手の内股に足の甲で触れられるのならば、それは相手の金的まで足を届かせられるとみなせます。

以上の理念のもとにルール化されたものがこの武術基本散手ルールです。

片手片足で行っているのは武器術と体術の一致性をもたらすためです。

武術基本散手応用パターンその1

武術基本散手ルールを拡張して左手も使えるルールにしました。ただし左手は相手の左肩をタッチすることのみを有効とします。

これは安易に両肩やボディへのタッチを有効にしてしまうと稚拙なキックボクシングもどきの動きになってしまうことを避けるためです。

八極相撲ルール

八極拳の技術とは、いわば「槍を持ったまま行う相撲」であると言えます。

八極相撲ルールはそうした八極拳の特徴を生かして組手ができるようにしたルールです。

基本的なルールは普通の相撲と同じですが、

大きく違うのは自分の右手の手首を自分の左手で掴んだまま相撲を取ることです。

八極ボクシングルール

八極拳の技術は槍の操作法から生まれたと言われています。

八極ボクシングは槍の操作を応用して打撃が行えるように設定されたルールです。

基本的なルールは普通のボクシングと同じですが、

大きく違うのは離れた間合いにおいては上記の八極相撲の構えを強制的に取らせるというところです。

太極四正散手ルール

太極拳の技を要素に分解すると,ほう(掤)、り(捋)、せい(擠)、あん(按)、さい(採)、れつ(挒)、ちゅう(肘)、こう(靠)、の 八つの手法と 進、退、顧、盼、定の五つの歩法に分かれます。これら十三の要素を太極十三勢と呼び、太極拳の技はこれら十三の要素が組み合わされてできたものです。この太極十三勢の要領を学ぶために存在するのが太極四正推手であり、太極四正散手ルールはこの太極四正推手をもとに自由攻防ができるようにルール化したものです。

推拉(とぅいらー)

お互いがレンガの上に乗って相手を推したり引いたりして先にレンガから落ちたほうが負けというルールです。

推手で養った皮膚感覚を生かして相手の力を読む,いわゆる聴勁の練度を上げるのに向いています。

かつては競技として大会が行われていたこともあります。

劈掛ボクシングルール

劈掛拳の特性を生かせるように設定されたルールです。お互いにグローブをはめて,両手の拳,裏拳,手刀を使って相手を攻撃できます。かなりボクシングに近いルールですが,一点だけ大きく違う点は右足の足裏を用いて相手の膝より下を打撃してもよいという点です。これによって劈掛拳特有の踏み込みと曲線的な手法を組み合わせた攻撃が可能になります。

これらの他にも武術の技を使いこなすことを目的に設定されたルールがありますので今後紹介していきます。

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